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東方紅魔郷SS 更新5

回想④(Stage3)
 霊夢は、チルノに教わった道を頼りに湖のほとりにある洋館へ着いた。いかにも中世の屋敷という出で立ちであり、紅い霧の密度がもっとも濃い。
「この館よね。…さて、いっちょ乗りこんでみますか。」

乗り込んでみるとはいっても、目の前には厳めしい門が鎮座している。詰め所がないのか、中華風の出で立ちをした門番は門の前で暇そうにしていた。どういった態度で扱われるか測りかねた霊夢は、とりあえず正攻法を取ることにした。
「失礼。ここは紅魔館よね。私は、森の向こうにある博麗神社の巫女で博麗霊夢と申します。ぶしつけでなんだけど主に取り次いでもらえないかしら。」
「主は多忙でして、面会はかないません。」
門番は要件すら聞こうとしない。
「それを決めるのは貴女の御主人ではなくて?貴女が決めてよいことのなのかしら。」
 と、一応脅してみたのだが、門番は頑なに否定を繰り返す。霊夢は通すなという指令を受けていると考えるべきだろう。そのような態度を取られて気の短い霊夢が我慢できるはずもなく、雰囲気が瞬時に変わった。
「私は、博麗の巫女。使命は幻想郷の安寧を維持することよ。貴女がそれを邪魔をするというなら排除せざるを得ない。」
 門番もそれに合わせて戦闘態勢をとる。博麗の巫女の強さは方々からも十分に聞いており、メイド長からも「少しでも時間稼げれば十分よ。」と言われていた。しかし、彼女は門番なのだ。
「確かに私は貴女に敵わないでしょう。しかし、私は門番ですから。私の使命は部外者を紅魔館へと入れないことです。」
 譲れない使命がある。全うするためには戦うしかない。

「華符「芳華絢爛」!!!」「光霊「神霊宝珠」」
 
 スペルカードの発動は同時だった。互いに弾幕が襲いかかる。しかし二人の反応は対照的であった。美鈴はその弾幕の速さに驚愕し、霊夢はその弾幕の美しさに見とれる余裕を持っていた。
「見事なものね、門番さん。まだまだスペルは持っているのでしょう。もっと美しいものを見せてもらえるのかしら。」
 霊夢の挑発は止まない。


― 紅魔館の一室にて ―
館の主人は外から聞こえてくる爆発音を気にもせず紅茶をたしなんでいた。そばにはメイド長の咲夜が控えている。
「さて、咲夜。門番はどの程度時間を稼げるかしら。」
「もって10分ほどかと思われます。それよりも短い可能性が高いですが。いかがなさいますか。」
咲夜は一時的にレミリアを地下へと逃そうと考えていた。レミリアの不興を買うことは分かっていたが、それが従者の使命と考えたのだ。レミリアが今回異変を起こした理由にも相違しないはずである。しかし、レミリアはその意を下した。
「咲夜、貴女は何を言っているのかしら。何故私が逃げ出さなくてはならないの。霊夢とやらに私が討たれるはずがあろうか。とは言っても……あの門番を10分で倒すとなるとかなりの実力の持ち主ということになるわね。」
門番の実力がかなり高いものであることは知っている。あの妖怪を手に入れるときにレミリアをもってして微かではあるけれど手傷を負ったのだ。
「ええ、おそらく『人間』では最強かと。お嬢様も、…妹様も十分にお遊びいただけると思いますが。」
「確かに、今回の事を起こしたのはあの子が全力で遊べる相手を探したいということではあるけれども、」
 最終的に、あの白黒の魔法使いはお嬢様が打ち負かしましたが、と咲夜は付け加える。
「今度の敵は、とりあえず紅い霧を解消したかった白黒とは違う。『幻想郷のバランスをとる』使命を持った巫女。うまくやらないと……。」
 一息おいてレミリアは話を続ける。霊夢と彼女との戦闘は、巫女の使命とは関係なしに始めらなければならない。
「私は、あの子のところに行ってくるわ。とても話を聞いてくれるとは思えないけど、大人しくしておくように言わなくてはならないわ。爆発音とかしたら暴れてしまうでしょうし。咲夜、この場は貴方に任せる。」
「はい、お任せ下さい。お嬢様のため、この身をもって巫女を止めて御覧に入れます。」
「貴方で抑えきれないと思ったらすぐに退いて結構よ。貴方は一生私につかえるのだから。」
さも当然のように言う咲夜にレミリアは一言付け加える。そうしなければ、本当にこの従者は死ぬまで戦うだろう。それは本意ではない。

― 紅魔館正面 ―

一方、紅魔館の門では、すでに美鈴は追い詰められていた。準備したスペルはすべて看過され、霊夢には美しい花火だと賞賛される始末だ。
(こんな簡単に門を通していたら咲夜さんにまた叱られてしまう…。というより今度はクビかも…、さてどうしたものか。)
 
「門番!!もうお終いなの?もっとみたかったのに仕方ないわね。十分愛でる事はできたしそろそろ門を通していただける?」
霊夢はニヤニヤとしながら美鈴に話しかける。
「それはできません。私では貴方に届かないでしょうが、それでも門番としての仕事は全うすべきと思っています。」
その間にも美鈴は通常攻撃を放つがことごとく避けられてしまい、掠る様子すらない。それでも美鈴はその姿勢を崩そうとしなかった。その姿勢に霊夢は若干の感動を覚えたのだが、その感情は当然表わさず言葉をつないだ。
「しかし、スペルのストックは残っていないのでしょう?その貴方はどのように反撃するというの?」
 美鈴は言い返すことができない。その言い返しができなかった時点で美鈴は負けを得心した。
「失礼しました…、博麗霊夢様。ようこそ、紅魔館へ。」
「案内はいらないわ。お疲れ様。」
 疲れた様子も全く見られない霊夢は、こうして紅魔館内部へと侵入していった。


幕間⑤
「結局私、あの時は全く見せ場がなかったんですよね。いやはや申し訳なかったです。」
 ははは、と苦笑する門番。若干、歳をとった感じはするがその風貌はほとんど変わっていない。
「幻想郷に移ってからこれまで幾度となくこの紅魔館は外敵にさらされてきましたけれど、門を破られたのはこの紅魔事変中の二回だけ。貴方はよくやっていますよ。」
と絶賛の咲夜。レミリアも、
「ええそうね。美鈴はよくやってくれていると思うわ。欲を言うともう少し強ければ貴方とも遊べるのだけれど。」
 と珍しく(咲夜以外の)他人をからかうほどであった。


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